介護×外国人採用 特集
介護分野の外国人採用に関わる情報やノウハウ、事例をまとめています。
採用担当者のためのQ&A
- 外国人スタッフの住居は「本人任せ」でよい?
特に国外から採用する場合において、本人任せにはできません。特定技能では「住居の確保に係る支援」が受け入れ企業(または登録支援機関)の義務的支援に含まれています。具体的には、社宅を提供する、契約手続きを支援する、必要に応じて企業が連帯保証人になる、といった対応が求められます。背景には、外国人であることを理由に入居を断られるケースが今も少なくないこと、来日直後は敷金・礼金・保証会社といった日本の賃貸契約の慣習を理解しづらいことがあります。なお居室の広さは原則として1人あたり7.5㎡以上という基準もあります。住まいが不安定なままだと早期離職に直結しますので、通勤手段や生活圏(スーパー、病院、宗教施設など)まで含めて確認しておくと安心です。国内在住人材の場合は、住居契約を本人が不動産会社を通して自ら行うことも可能、契約における説明や理解を受け入れ企業(または登録支援機関)が支援することも可能です。
- 日本語力はどの程度なの?
特定技能「介護」で働く人材は、日本語能力試験N4(またはJFT-Basic A2)に加えて、介護現場の言葉を扱う「介護日本語評価試験」にも合格しています。N4は「ゆっくり話してもらえば日常会話が理解できる」レベルで、簡単な会話や基本的な挨拶、分かりやすい単語を使ってコミュニケーションが可能です。一方で、複数の質問が混在した文章、早口・方言・略語や専門用語には慣れが必要で、入国直後は不安に感じられるかもしれません。実際には現場に入って3〜6ヶ月で急速に伸びる方が多く、現場で仕事が慣れていくとN3やN2取得を就業開始から1~2年で目指す人材が多いです。
- 技能実習と特定技能の違いは?
最も大きな違いは制度の目的です。技能実習は「国際貢献・技能移転」が目的で、原則として転職はできません。対して特定技能は「人手不足の解消」を目的とした就労のための在留資格で、一定の技能と日本語力を持つ即戦力が対象、転職も認められています。介護の場合、特定技能1号として最長5年間就労でき、その間に介護福祉士を取得すれば在留資格「介護」へ移行し、期間の上限なく働き続けることも可能です。なお技能実習は2027年から「育成就労」制度へ移行します。
また、採用する側の目線では、採用時点の日本語レベルが異なる 点も大きな違いです。技能実習は介護職種の場合は入国時にN4相当が要件とされていますが、介護の現場で使う日本語そのものを測る試験はありません。一方の特定技能は「すでに基準を満たした人材」を受け入れる制度で、N4相当(またはJFT-Basic A2)に加えて「介護日本語評価試験」に合格しているため、現場の言葉を一定量学んだ状態で入社します。つまり技能実習は入社後の日本語教育を前提に、特定技能は現場の言葉の勉強をした人材に対して、受け入れ体制を考えることになります。移行後の育成就労では、原則としてN5相当(または相当する日本語教育の受講)が入国時の要件とされる見込みで、分野ごとの詳細は今後の運用で定まっていきます。
- 採用人数が1人でも採用できる?
はい、1名からご紹介が可能です。ただし介護分野には「事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数を超えて受け入れられない」という人数枠があります。たとえば常勤の介護職員が10名の事業所であれば、特定技能外国人は最大10名までとなります。初めての受け入れでは、まず2〜3名からスタートして受け入れ体制や教育の型を整え、そのうえで人数を増やしていく企業が多くみられます。
- 外国人社員にだけ社宅を準備するのは問題?
特定技能では「住居確保の支援」が受け入れ企業に求められる義務的支援に含まれており、社宅の用意や物件探し・保証人の手配は、むしろ制度上必要な対応です。ただし家賃を本人負担とする場合は、企業が実際に負担している額を超えて徴収しないこと、給与から控除する場合は労使協定が必要になる点にご注意ください。日本人職員から質問された際に「制度上定められた支援である」ことと日本人職員含めて全体的な不合理のない処遇であるバランスと共に社員全員に説明できるようにしておくと、社内の納得感も高まります。
- 採用までにどれぐらいの時間がかかる?
国内にいる人材を対象にした募集は、求人の募集開始から平均1〜2週間で候補者をご提案します。その後、面接・内定を経て、在留資格変更の申請を含めて入社まで約2〜3ヶ月。
国外にいる人材を対象にする場合は、在留資格認定証明書の交付、現地でのビザ発給、渡航手続きが加わるため、約4〜6ヶ月が目安です。
- 採用にはいくらかかりますか?
費用は「入社までの初期費用」と「入社後の継続費用」に分けて考えると整理しやすくなります。初期費用は、人材紹介手数料、在留資格の申請にかかるビザ費用、海外から呼び寄せる場合の渡航費、社宅の初期費用や生活備品の準備費です。入社後は、義務的支援を登録支援機関に委託する場合の支援委託費が1名あたり月2〜3万円ほどかかります。この支援を自社で行う「自社支援」に切り替えれば、月々の委託費を圧縮することも可能です。
なお給与は、同じ業務に就く日本人と同等以上であることが制度上の要件です。「安く雇うための制度ではない」という点は、社内で共有しておきたい前提になります。また自治体によっては、外国人介護人材の受け入れに対する補助金(住居費や日本語学習費の補助など)を用意している場合がありますので、あわせてご確認ください。
- どの国の人材が多い?
いろはなの紹介実績では、ミャンマーが約46%と最も多く、次いでインドネシア16%、ベトナム16%、ネパール15%、スリランカ7%と続きます。介護分野は、家族を大切にする文化や高齢者への敬意が根付いた国の人材と相性が良いと言われます。一方で、宗教上の配慮(礼拝の時間、食事の制限)や休暇の考え方は国によって異なります。採用前に確認し、受け入れ側で対応できる範囲をすり合わせておくことが、入社後のミスマッチ防止につながります。
- 日本語の指示が伝わらない時はどうすれば良い?
「やさしい日本語」を意識するだけで、多くのケースは改善します。ポイントは4つです。
①一文を短くし、指示は一つずつ伝える
②「〜しないでください」より「〜してください」と肯定形で言う
③「大丈夫?」と聞かず、「何をしますか?」と本人に言葉で復唱してもらう
④手順は写真やイラストで見せる。
それでも伝わらない場面では、翻訳アプリの併用も有効です。伝わらない原因は本人の能力ではなく「伝え方」にあることがほとんどだと考え、職場側の共通ルールとして整えていきましょう。
- 長く働いてもらうためには、何をすればよいですか?
定着するかどうかのポイントは「人材の選定」と「入社後の教育体制」の2つです。
面接の段階における選定では、評価が偏りがちな日本語レベルの高低だけではなく本人適性をより引き出しながら人材の選定を進めることをおすすめします。例えば日本の地方にある施設における求人募集においては都会での就労志向が強い人材は選考から外す等、日本語だけではない側面で選定することが重要です。
また、介護業務に対する適性の見極めや日本の生活に対する本人の適応力があるか、も重要な視点です。特に介護業務に対する意欲の背景理解、動機である「なぜ介護の仕事をしたいのか」「なぜ日本で働きたいのか」という点は、日本入国後の学習意欲や生活適応力を支える柱になります。
弊社ではこの選考過程に講習、本人適性や仕事理解のためのワークを取り入れた教育選考もオプションでのご提案として行っておりますのでお問い合わせください。そのうえで、入社後は日々の業務理解を進めること、成長の次のステップの明示、長期的に介護福祉士に向けたキャリアアップの過程、在留資格「介護」への移行というキャリアの道筋を早い段階で示すことが重要です。この2点が5年で終わらない関係をつくります。










