出入国在留管理庁は、2026年9月29日に「令和8年(2026年)6月末」時点の特定技能在留外国人数と制度運用状況を公表しました。2026年6月末の在留数は、特定技能1号が425,961人、特定技能2号が18,295人、合計444,256人となっています。

今回の記事では、2025年12月末から2026年6月末までの半年間で、どの分野の在留数が伸びたのかを確認します。主軸は特定技能1号の在留者数の純増ですが、特定技能2号の増加も、1号の残存数や受入れ見込数の運用に関わる重要な要素として分けて整理します。

特に、1号では介護、飲食料品製造業、農業の伸びが目立ち、2号では建設、飲食料品製造業、工業製品製造業が大きく増えています。外食業では新規認定に関わる一時停止措置が取られており、分野ごとの数字を丁寧に読む必要があります。

出典: https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00215.html

入管庁が2026年6月末の特定技能在留数を公表

出入国在留管理庁は2026年9月29日、令和8年(2026年)6月末時点の特定技能在留外国人数と、制度の運用状況を公表しました。本稿執筆時点(2026年10月8日)で確認できる公表ページでは、特定技能在留外国人数は「速報値」として半年ごとに整理されています。

公表ページには、全体の要点をまとめた「ポイント」、制度全体の動きを見るための「制度運用状況」、さらに特定技能1号・特定技能2号それぞれの「概要版」「詳細版」が掲載されています。特定技能1号と2号では制度上の位置づけが異なるため、在留数を見る際も合算だけでなく、分けて読むことが重要です。

まず全体像を見ると、2026年6月末時点の特定技能在留外国人数は、1号が425,961人、2号が18,295人で、合計444,256人でした。直近の比較対象となる2025年12月末は、1号382,341人、2号7,955人、合計390,296人です。半年間で合計53,960人増加したことになります。

区分2025年12月末2026年6月末増加数
特定技能1号382,341人425,961人+43,620人
特定技能2号7,955人18,295人+10,340人
合計390,296人444,256人+53,960人

ここで押さえたいのは、合計の増加だけを見ても実態はつかみにくいという点です。特定技能1号は各分野で働く人材の現在の受入れ規模を示す中心的な数字であり、受入れ見込数や分野別の充足状況とも関係します。一方、特定技能2号の増加は、1号から長期就労ルートへ進む動きとして、1号の残存数にも影響し得ます。

そのため、この記事ではこの後、特定技能1号については「どの分野で在留者数が純増したのか」を主軸に見ていきます。あわせて、特定技能2号についても別枠で増加状況を確認し、1号の受入れ上限や分野別運用を読むうえで、どのような意味を持つのかを整理します。

2026年6月末の特定技能在留数は合計444,256人で、半年間に53,960人増えました。

今回のデータは「1号の残存数」と「2号の増加」を分けて読む

今回の入管庁公表データを見るうえで、まず押さえたいのは、特定技能1号と特定技能2号を合算して制度の動きを判断しないことです。入管庁は2026年9月29日、令和8年(2026年)6月末時点の特定技能在留外国人数を速報値として掲載しましたが、1号と2号では制度上の意味が異なります。

特定技能1号は、一定の技能を持つ外国人が各分野で就労する在留資格で、通算在留期間に上限があります。一方、特定技能2号は、より熟練した技能を前提とする長期的な就労ルートとして位置づけられます。そのため、1号の人数は「いま現場に残っている人数」、2号の人数は「長期就労側に厚みが出ているか」を見る指標として分けて読む必要があります。

区分2025年12月末2026年6月末増加数
特定技能1号382,341人425,961人+43,620人
特定技能2号7,955人18,295人+10,340人

本記事では、主軸を特定技能1号の在留者数の純増に置きます。ただし、1号の分野別増減は、単純な「新規採用数」ではありません。海外からの新規流入、国内での他在留資格からの変更、帰国、転職、別の在留資格への変更、さらに2号への移行などが差し引かれた、あくまでその時点の「残存数」として読むべき数字です。

たとえば、ある分野で1号の在留者数が増えていても、その裏側では帰国者や資格変更者も発生しています。逆に、2号への移行が進む分野では、現場で働き続ける人がいても、統計上は1号から外れるため、1号の残存数を押し下げる要因になり得ます。受入れ見込数や上限運用を考える際は、この点を見落とさないことが重要です。

一方で、特定技能2号の+10,340人についても注意が必要です。これは2025年12月末と2026年6月末の在留者数の差であり、「半年間に1号から2号へ10,340人が移行した」と断定できる数字ではありません。新たな許可、在留状況の変化、集計時点の差などを含んだ結果としての増加幅です。

なお、介護分野は特定技能2号の対象ではありません。介護福祉士資格を取得して長期就労へ進む場合は、特定技能2号ではなく在留資格「介護」への移行として整理されます。そのため本記事でも、1号の伸びと2号の増加は分けて扱い、介護の長期就労ルートについては別の論点として見ていきます。

特定技能1号は時点ごとの「残存数」、特定技能2号は長期就労ルートの拡大として分けて読むことが重要です。

特定技能1号の増加数ランキング:介護・食品製造・農業がけん引

出入国在留管理庁が2026年9月29日に掲載した2026年6月末時点の速報値をもとに、ここでは「特定技能1号」だけに絞って見ます。特定技能1号は、各分野で即戦力として働く外国人向けの在留資格で、2025年12月末から2026年6月末までの半年で、382,341人から425,961人へ43,620人増えました。

順位分野増加数2025年12月末→2026年6月末
1介護+12,013人67,871→79,884人
2飲食料品製造業+7,376人93,393→100,769人
3農業+6,098人37,952→44,050人
4工業製品製造業+5,297人56,736→62,033人
5外食業+5,191人43,869→49,060人
6建設+2,809人49,323→52,132人
7ビルクリーニング+1,776人8,395→10,171人
8自動車整備+675人4,560→5,235人
9宿泊+588人1,968→2,556人
10航空+543人2,260→2,803人
11造船・舶用工業+437人11,204→11,641人
12自動車運送業+407人151→558人
13漁業+322人4,590→4,912人
14木材産業+59人15→74人
15林業+19人0→19人
16鉄道+10人54→64人

伸び数で見ると、介護、飲食料品製造業、農業の3分野が全体を強く押し上げています。一方、2026年6月末時点の在留者数そのものは飲食料品製造業が100,769人で最多です。「どれだけ増えたか」と「いま何人いるか」は分けて読む必要があります。

外食業は5位の増加ですが、2026年4月13日以降、海外からの新規流入に直結する在留資格認定証明書交付申請が停止されています。在留期間の更新は通常どおり審査されますが、他の在留資格からの変更も原則不許可とされており(例外あり)、今後の伸び方は他分野と同じには見られません。

なお、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環は2026年追加の新分野で、2026年6月末時点では0人または「—」扱いです。そのため、2025年12月末との単純比較ランキングには入れていません。また、介護は1号の伸びが最大ですが、介護福祉士取得後の長期就労は在留資格「介護」への移行であり、特定技能2号とは別に整理します。

在留者数の規模と受入れ見込数:外食業は認定証明書の交付が停止中

増加数を見るだけでなく、2026年6月末時点で各分野にどれだけの特定技能1号人材が在留しているかも分けて確認しておきたいところです。特定技能1号全体は425,961人で、そのうち飲食料品製造業が100,769人と最多でした。

続いて、介護79,884人、工業製品製造業62,033人、建設52,132人、外食業49,060人、農業44,050人となっています。上位6分野だけで1号全体の大半を占めており、制度運用の実態はこれらの分野の動きに大きく左右されます。

分野2026年6月末の特定技能1号在留者数受入れ見込数に対する充足率
飲食料品製造業100,769人75.5%
介護79,884人63.0%
工業製品製造業62,033人—
建設52,132人68.6%
外食業49,060人98.1%
農業44,050人60.1%

受入れ見込数は、分野ごとの受入れ規模を管理するための制度上の目安です。2026年6月末時点では、特定技能1号全体425,961人に対し、受入れ見込数は805,700人で、充足率は52.9%でした。全体ではまだ余地がある一方、分野別に見ると濃淡があります。

特に外食業は、受入れ見込数50,000人に対して49,060人まで接近し、充足率は98.1%です。この状況を受け、入管庁は2026年4月13日、外食業分野に係る在留資格認定証明書の交付を一時的に停止する措置をとりました。

ここでいう在留資格認定証明書交付申請は、主に海外から新たに人材を呼び寄せる際に使われる手続きです。同日以降に受理された外食業分野の認定申請は不交付とされています。そのため、外食業は「海外からの新規流入に直結する新規認定の受入れが一時停止済み」と見るのが正確です。

なお、4月13日より前に受理された申請は、受入れ見込数の範囲内で順次交付されます。月次の簡易資料(令和8年7月末・速報値)では、外食業の在留者数は49,290人(充足率98.6%)で、6月末から230人の増加にとどまっています。

ただし、外食業に関するすべての申請が止まっているわけではありません。在留期間更新は通常どおり審査され、すでに外食業分野の特定技能1号として在留している人の転職等に伴う申請も通常どおり審査されます。一方、留学など他の在留資格から外食業の特定技能1号への変更は、原則として不許可です。例外は、技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)を修了して移行する方や、すでに外食業分野の特定活動(特定技能1号移行準備)の許可を受けている方などに限られます。企業側は、採用経路が海外新規なのか、国内転職なのか、他の在留資格からの変更なのか、更新なのかを切り分けて確認する必要があります。

特定技能2号の増加数ランキング:建設が最大の伸び

特定技能2号は、熟練した技能を持つ人材がより長く働くための在留資格です。本記事では、1号からの移行が進むことで、特定技能1号の残存数や受入れ上限の見え方に影響する要素として、1号とは別枠で確認します。

入管庁が公表した2026年6月末時点の速報値では、特定技能2号の在留者数は18,295人でした。2025年12月末の7,955人から半年で10,340人増え、約2.3倍になっています。ただし、この差分は在留者数の増減であり、「半年間に10,340人が1号から2号へ移行した」とは限らない点には注意が必要です。

順位分野増加数2025年12月末→2026年6月末
1位建設+3,530人1,799→5,329
2位飲食料品製造業+2,452人2,251→4,703
3位工業製品製造業+1,546人840→2,386
4位農業+1,105人1,282→2,387
5位外食業+990人1,056→2,046
6位以下自動車整備、造船・舶用工業ほか+350人以下宿泊、漁業、ビルクリーニング、航空も増加

分野別では、建設が+3,530人で最も大きく伸びました。次いで飲食料品製造業、工業製品製造業、農業、外食業が続きます。特定技能2号はまだ母数が小さい分野も多く、増加率だけを見ると航空やビルクリーニングのような小規模分野が大きく見えやすくなります。そのため、ここでは現場への影響を捉えやすい「増加人数」を主指標にしています。

6位以下は、自動車整備が+350人、造船・舶用工業が+308人、宿泊が+27人、漁業が+22人、ビルクリーニングが+7人、航空が+3人でした。全体としては、建設・食品製造・製造業を中心に、現場リーダー層や長期就労ルートが広がっている段階といえます。

なお、介護は特定技能2号の対象分野ではありません。介護分野で介護福祉士資格を取得し、長期就労へ進む場合は、特定技能2号ではなく在留資格「介護」への移行として整理されます。この点は、特定技能2号の増加とは分けて見る必要があります。

今後は半年統計と月次・簡易資料をあわせて追う

今回の2026年6月末データは、半期ごとに公表される「特定技能在留外国人数」の速報値です。一方で入管庁は、より短い間隔で確認できる月次・簡易版の「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数」も公表・更新しています。今後は、半年統計だけでなく、この月次資料もあわせて見ていくことが可能と思われます。

特に確認したいのは、特定技能1号の在留者数がどの分野で増えているか、受入れ見込数にどれだけ近づいているか、そして特定技能2号への移行が1号の残存数にどう影響するかです。ここでいう残存数とは、ある時点で特定技能1号として在留している人数を指します。

確認する資料実務上の見方
半年ごとの特定技能在留外国人数1号・2号別、分野別の増減を大きな流れとして把握する
月次・簡易版の1号在留者数資料受入れ見込数に近い分野の動きを月単位で確認する
申請取扱いに関する公表情報認定申請の停止や例外的取扱いの有無を採用前に確認する

外食業はその代表例です。2026年6月末時点で特定技能1号の在留者数は49,060人となり、受入れ見込数50,000人に対する充足率は98.1%まで接近しています。入管庁は2026年4月13日以降、海外からの新規流入に直結する在留資格認定証明書の交付を停止しており、今後の在留者数の推移は慎重に見る必要があります。ただし、在留期間更新や一部の転職に伴う申請まで一律に停止されているわけではありません。

また、飲食料品製造業、介護、建設、農業は、在留者数の規模も充足率も高い分野です。1号の新規流入だけを見ていると、現場の採用余地を読み違える可能性があります。建設などでは2号の増加も進んでおり、2号への移行が増えれば、1号としての残存数は押し下げられることがあります。ただし、在留者数の差分がそのまま移行人数を意味するわけではない点には注意が必要です。

受入れ企業や登録支援機関は、採用計画を立てる前に、自社が関係する分野の最新の在留者数、受入れ見込数、認定申請の取扱いを確認しておくことが重要です。特定技能は、制度全体の人数だけでなく、分野ごとの上限運用や申請実務の変化が採用スケジュールに直結します。今後も半期統計と月次・簡易資料を併用し、分野別の動きを継続して追っていきます。

まとめ

入管庁は2026年9月29日、2026年6月末時点の特定技能在留外国人数を速報値として公表しました。今回のポイントは、特定技能全体を一括りにせず、特定技能1号の残存数と、特定技能2号の増加を分けて読むことです。

区分2026年6月末2025年12月末からの増加
特定技能1号425,961人+43,620人
特定技能2号18,295人+10,340人
合計444,256人+53,960人

特定技能1号では、介護、飲食料品製造業、農業の伸びが大きく、引き続き人手不足の強い分野で受入れが進んでいることがうかがえます。一方で、1号の分野別増減は単純な新規受入れ数ではありません。特定技能2号への移行、在留資格変更、帰国などを差し引いた「その時点で残っている人数」として見る必要があります。

特定技能2号は、2025年12月末の7,955人から2026年6月末には18,295人へ増え、半年で+10,340人となりました。分野別では建設、飲食料品製造業、工業製品製造業の伸びが目立ちます。2号の増加は、長期就労ルートの広がりを示すと同時に、1号の残存数や受入れ見込数の運用にも関わるため、今後さらに重要な指標になります。

なお、介護は1号で最も伸びた分野ですが、介護福祉士資格を取得して長期就労へ進む場合は、特定技能2号ではなく在留資格「介護」への移行として整理されます。そのため、介護分野のキャリアルートは、特定技能2号の動きとは分けて確認することが大切です。

今後は、半年ごとに公表される詳細統計に加え、月次・簡易資料もあわせて見ていく必要があります。外食業の停止後の推移、飲食料品製造業・介護・建設・農業の充足率、そして2号増加による1号残存数の変化を、継続的に追っていきます。