政府は2026年8月25日、在留資格変更許可、在留期間更新許可、永住許可に係る在留許可手数料の改定を閣議決定しました。出入国在留管理庁も8月28日に「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等」として案内ページを公開・更新しており、2026年10月1日から新しい手数料が適用されます。

今回の改定では、在留資格変更・更新の手数料が許可される在留期間に応じた段階制となり、窓口申請では最大7万5,000円、永住許可は現行1万円から20万円へ引き上げられます。外国人本人だけでなく、申請費用を補助・負担している企業にも影響するため、適用時期や納付方法、減額措置の有無を早めに確認しておく必要があります。

入管手数料の改定が閣議決定、2026年10月1日から適用へ

政府は2026年8月25日、「出入国管理及び難民認定法施行令及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定しました。これにより、かねて改正案として示されていた入管手数料の見直しは、2026年10月1日から適用される正式な改定として動き出すことになります。

出入国在留管理庁の案内では、今回の制度名は「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等」とされています。在留許可手数料とは、在留資格の変更や在留期間の更新、永住許可などの許可を受ける際に納付する手数料のことです。対象となるのは、「在留資格の変更の許可」「在留期間の更新の許可」「永住許可」に係る手数料です。

日付動き
2026年8月25日政府が関係政令の一部改正を閣議決定
2026年8月28日出入国在留管理庁が案内ページを公開・更新
2026年10月1日改定後の手数料を適用開始

今回のポイントは、7月時点で「改正案」として把握されていた内容が、8月25日の閣議決定と8月28日の入管庁案内により、正式な公表情報へ更新された点です。法務大臣会見でも、具体的な手数料額や減額・免除の対象を政令で定めたことが説明されています。

適用の基準日は、許可日ではなく申請日で整理されています。出入国在留管理庁の案内によると、2026年10月1日以後に申請を行い、在留資格変更・在留期間更新・永住許可を受ける外国人には改定後の手数料が適用されます。一方、2026年9月30日までに行った申請については、許可が10月1日以降になった場合でも、改定前の手数料となります。

外国人を雇用している企業にとっては、在留期限の管理や更新申請の準備スケジュールに影響する改定です。特に、特定技能や技術・人文知識・国際業務など、在留期間の更新を定期的に行う人材を受け入れている場合は、本人への説明、申請時期、費用負担の考え方を早めに確認しておく必要があります。詳細な金額や納付方法は、以降の項目で整理します。

2026年10月1日以後の申請から新手数料が適用され、9月30日までの申請は許可日が10月以降でも旧料金です。

在留資格変更・更新は、在留期間に応じた段階制に

今回の改定で、在留資格変更許可と在留期間更新許可の手数料は、現行の窓口申請一律6,000円から、許可される在留期間に応じて金額が変わる段階制へ移行します。出入国在留管理庁が2026年8月28日に公開・更新した案内では、2026年10月1日以後の申請から新しい手数料が適用されるとされています。

ここで注意したいのは、申請者が希望した期間ではなく、最終的に許可される在留期間に応じて手数料が決まる点です。たとえば更新申請で5年を希望していても、実際に1年の在留期間が許可された場合は、1年の区分の手数料になります。

許可される在留期間窓口申請オンライン申請
3月以下1万円1万円
3月超6月以下1万8,000円1万5,000円
6月超1年未満2万5,000円2万1,000円
1年3万3,000円2万7,000円
1年超3年未満4万8,000円4万2,000円
3年以上5年未満6万4,000円5万6,000円
5年以上7万5,000円6万5,000円

窓口申請では、長期の在留期間が認められるほど負担が大きくなります。従来は1年更新でも3年更新でも同じ6,000円でしたが、改定後は1年で3万3,000円、3年以上5年未満で6万4,000円、5年以上では7万5,000円となります。更新の頻度が少なくなる一方で、許可時に支払う金額は大きく変わります。

オンライン申請は、3月以下を除き窓口申請より低い金額に設定されています。ただし、オンライン申請では別途決済手数料がかかり、入管庁の案内では支払額合計が1万330円から6万5,550円になるとされています。金額だけでなく、納付方法や社内の精算手続きもあわせて確認が必要です。

特定技能や技術・人文知識・国際業務など、雇用を前提とする在留資格では、企業側が更新時期を管理しているケースも少なくありません。今後は在留期限の管理に加えて、許可された期間ごとの手数料見込みを採用・更新コストとして把握しておくことが実務上のポイントになります。

変更・更新手数料は一律6,000円ではなくなり、2026年10月1日以降は許可される在留期間が長いほど高くなります。

永住許可は1万円から20万円へ、最も大きな負担増に

今回の入管手数料改定で、とくに影響が大きいのが永住許可です。出入国在留管理庁が2026年8月28日に公開・更新した「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等」では、対象手続きの一つとして「永住許可」が明記され、手数料は現行の1万円から20万円へ引き上げられます。

永住許可とは、一定の要件を満たす外国人が、在留期限の更新を前提としない「永住者」としての在留を認められる手続きです。生活基盤を日本に置く本人や家族にとって重要な選択肢である一方、今回の改定では変更・更新手続き以上に大きな負担増となります。

手続き現行手数料改定後の主な金額
在留資格変更・在留期間更新一律6,000円在留期間に応じて最大7万5,000円
永住許可1万円20万円

毎日新聞の報道でも、在留資格変更・更新は現行一律6,000円から最大7万5,000円、永住許可は1万円から20万円へ上がるとされています。さらに、パブリックコメントを経ても、これらの金額自体は変更されなかったと報じられており、7月時点で示されていた改正案がほぼそのまま確定した形です。

施行日は2026年10月1日です。入管庁の案内では、同日以後に申請を行い、許可を受ける外国人に改定後の手数料が適用されるとされています。一方、2026年9月30日までに行った申請については、許可が10月1日以降になった場合でも改定前の手数料です。永住申請を検討している方は、申請時期と必要書類の準備状況を早めに確認する必要があります。

また、企業側にも実務上の確認点があります。外国人社員の定着支援やキャリア形成の一環として、永住申請に関する費用補助や行政書士費用の支援を行っている場合、20万円への引き上げは社内規程や福利厚生費の扱いに影響します。誰を対象に、どこまで補助するのか、本人負担と会社負担の線引きを整理し、説明できる状態にしておくことが大切です。

永住許可は、単なる在留手続きではなく、本人の生活設計や家族の将来にも関わる申請です。今回の改定により、費用面のハードルは明確に高くなります。申請を急ぐべきかどうかは個別事情によりますが、少なくとも「いつ申請するか」「どの費用を誰が負担するか」は、早めに話し合っておくべき論点です。

9月30日までの申請は旧料金、10月1日以降の申請は新料金

今回の手数料改定で、読者が最も注意したいのは「いつ申請したか」です。出入国在留管理庁が2026年8月28日に公開・更新した案内では、制度名を「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等」とし、施行日は2026年10月1日とされています。

改定後の手数料は、2026年10月1日以後に在留資格変更許可、在留期間更新許可、永住許可の申請を行い、許可を受ける外国人に適用されます。反対に、2026年9月30日までに行った申請については、許可が10月1日以降になった場合でも、改定前の手数料が適用されます。

申請した日許可された日適用される手数料
2026年9月30日まで2026年10月1日以降でも可改定前の手数料
2026年10月1日以降2026年10月1日以降改定後の手数料

つまり、判断の起点は「許可日」ではなく、原則として「申請日」です。たとえば、9月中に更新申請を済ませ、審査結果が10月以降に出た場合でも、改定前の金額で扱われます。一方、在留期限に余裕があって10月1日以降に申請する場合は、新料金の対象になります。

ただし、9月末前後に申請を予定している場合は、単に書類を準備した日ではなく、正式に申請として受け付けられた日を確認することが重要です。書類不備があり受理されなかった場合や、オンライン申請で受付状況の確認が必要な場合は、想定していた申請日と扱いがずれる可能性があります。

企業が外国人従業員の更新申請を管理している場合は、在留期限だけでなく、申請予定日、必要書類の完成状況、本人確認書類、オンライン申請の受付状況を早めに点検しておくと安心です。特に複数名の更新が9月末に重なるケースでは、直前対応にせず、最新の公表情報を確認しながらスケジュールを組むことが求められます。

納付方法も変更、オンライン申請はコンビニ・銀行決済へ

今回の改定では、手数料の金額だけでなく、納付方法も変わります。出入国在留管理庁の案内によると、2026年10月1日以降、オンライン申請で在留資格変更許可や在留期間更新許可を行う場合、従来の収入印紙による納付ではなく、出入国在留管理庁長官が指定する事業者を通じた決済に切り替わります。

利用できるのは、コンビニ決済または銀行決済です。クレジットカード決済やQRコード決済には対応しないため、企業側で申請を管理している場合は、外国人本人への案内や社内精算の方法を事前に見直しておく必要があります。オンライン申請は便利になる一方で、支払い手段の選択肢が広がるわけではない点に注意が必要です。

申請方法2026年10月1日以降の納付方法注意点
オンライン申請コンビニ決済または銀行決済クレジットカード・QRコード決済は不可。別途決済手数料が発生
窓口申請収入印紙通知はがきに記載された金額分を事前購入。購入は現金のみ

オンライン申請では、改定後の手数料に加えて決済手数料がかかります。在留資格変更・在留期間更新のオンライン申請では、支払額の合計が1万330円から6万5,550円になると案内されています。申請そのものの手数料額だけを見ていると、実際の支払額と差が出るため、費用見積もりや本人負担・会社負担の整理では、決済手数料込みで確認することが大切です。

また、オンライン申請の決済案内メールは、指定決済代行事業者の no-reply@service-dgft.com から送信されます。入管庁は、このアドレス以外から手数料納付を求めるメールについて、詐欺として注意するよう呼びかけています。手数料改定直後は、申請者や企業担当者が金額・方法の変更に戸惑いやすい時期です。不審なメールを受け取った場合は、リンクを開く前に送信元を確認し、必要に応じて最新の公表情報を確認してください。

一方、地方出入国在留管理官署の窓口で申請する場合は、引き続き収入印紙で納付します。収入印紙とは、国への手数料などを納めるための証票です。改定後は、許可される在留期間によって必要な印紙額面が変わるため、入管庁は、通知はがきに記載された金額分を、規模の大きい郵便局等で事前に購入するよう案内しています。収入印紙の購入は現金のみとされているため、窓口申請を予定している場合も、当日の支払い準備を忘れないようにしましょう。

減額措置とパブリックコメント後の変更点

今回の入管手数料改定では、在留資格変更・在留期間更新・永住許可の大幅な引き上げが決まりましたが、一定の生活困窮者については減額措置の対象となり得ることも示されています。対象になり得るのは、生活保護法上の要保護者に準ずる程度に困窮し、人道上の配慮が必要な方などです。

減額が認められた場合の手数料は、通常の新料金より低く設定されています。出入国在留管理庁の案内では、主な手続きごとの減額後の金額は次のとおりです。

手続き減額後の手数料
在留資格変更許可1万円
在留期間更新許可1万円
永住許可2万円

注意したいのは、減額措置を利用する場合の申請方法です。2026年10月1日以降、オンライン申請ではコンビニ決済または銀行決済による納付へ移行しますが、オンライン申請は減額措置に対応していません。そのため、減額対象であることを示す疎明資料、つまり事情を説明・裏付ける資料を提出する場合は、窓口申請を選ぶ必要があります。

企業側が外国人本人の更新手続きを支援している場合も、この点は実務上の確認事項になります。特に、本人の生活状況や家族状況に配慮が必要なケースでは、通常のオンライン申請で進めてよいか、窓口での申請が必要かを事前に確認しておくことが重要です。

また、e-Govパブリックコメントでは、政令案に対する結果公示が2026年8月28日に掲載されました。案件番号315000136の提出意見数は6,175件に上っており、今回の手数料改定への関心の高さがうかがえます。一方で、毎日新聞の報道によれば、パブリックコメントを経ても金額自体は維持されました。

その一方で、報道では変更点として、日本人または特別永住者の子どもを単独で監護・養育し、特定活動へ変更する生活困窮者が、新たに減額対象に加わったとされています。つまり、改定後の基本的な金額は当初案に近い形で確定しつつも、人道上の配慮が必要な一部ケースについては、減額対象の整理が加えられたと見ることができます。

まとめ

今回の入管手数料の改定は、7月時点で示されていた改正案が、2026年8月25日の閣議決定を経て、金額はほぼそのまま確定したものです。出入国在留管理庁は8月28日、制度名を「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等」として案内を公開・更新しており、2026年10月1日以後の申請分から実質的な値上げが始まります。

読者がまず押さえるべき点は5つです。第一に、在留資格変更許可と在留期間更新許可は、これまでの一律6,000円から、許可される在留期間が長いほど高くなる段階制に変わります。第二に、永住許可は現行1万円から20万円へ大きく引き上げられます。

第三に、2026年9月30日までに行った申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料が適用されます。更新時期が近い方は、必要書類の準備状況を確認し、無理のない範囲で申請時期を見直すことが重要です。

第四に、オンライン申請の納付方法も変わります。2026年10月1日以降は、従来の収入印紙ではなく、指定事業者を通じたコンビニ決済または銀行決済になります。クレジットカード決済やQRコード決済には対応しないため、社内の経費精算や本人負担の運用にも影響が出る可能性があります。

第五に、減額措置を利用する場合は窓口申請が必要です。減額措置は、生活保護法上の要保護者に準ずる程度に困窮し、人道上の配慮が必要な方などが対象となり得ますが、オンライン申請は対応していません。該当可能性がある場合は、疎明資料を含めて最新の公表情報を確認する必要があります。

外国人本人にとっては、更新や永住申請にかかる費用が生活設計に直結します。企業の人事担当者にとっても、会社負担か本人負担か、立替精算を行うのかといったルールの明確化が欠かせません。登録支援機関や行政書士などの支援者は、対象者の在留期限、申請方法、減額対象の有無を早めに洗い出し、10月1日以降の実務変更に備えることが求められます。