2026年6月14日から、在留カード・特別永住者証明書の様式が新しくなりました。あわせて、希望者はマイナンバーカード機能を付加した「特定在留カード」「特定特別永住者証明書」を申請できるようになっています。

今回の変更で会社が特に注意したいのは、カード券面から一部の情報が消えること、在留カード等読取アプリが現時点では完全対応ではないこと、そして特定在留カードではマイナンバー管理が関係してくることです。

この記事では、2026年7月13日時点の公的情報をもとに、新しい在留カードの要点と、外国人を雇用する会社が見直したい実務を、箇条書きと簡易図解でわかりやすく整理します。

まず結論:新様式になっても、会社の確認義務はなくならない

  • 2026年6月14日から、在留カード・特別永住者証明書は新様式で交付されています。
  • マイナンバーカード機能を付けた「特定在留カード」は任意です。希望しない人には、通常の新様式在留カードが交付されます。
  • 現行様式のカードも有効期限までは引き続き有効です。会社側は当面、旧様式・新様式・特定在留カードが混在する前提で運用します。

今回の変更は、カードの見た目や記載項目、マイナンバーカード機能との連携に関わるものです。一方で、外国人を雇用する会社が行う「就労できる在留資格か」「在留期限は切れていないか」「就労制限や資格外活動許可はどうなっているか」といった確認そのものが不要になるわけではありません。

特に注意したいのは、「特定在留カード=全員が持つカード」ではない点です。特定在留カードは、在留カードにマイナンバーカード機能を持たせる仕組みですが、取得は任意です。そのため、同じ職場の外国人従業員でも、持っているカードの種類が分かれる可能性があります。

時期・選択会社の見方
旧様式の在留カード有効期限までは有効。すぐ交換を求める必要はありません。
新様式の在留カード2026年6月14日以降、通常交付されるカードとして確認対象になります。
特定在留カード任意取得のカード。会社では在留カードとして確認対象に含めます。

実務上は、社内マニュアルや人事システムの表記を「在留カード」だけで固定せず、「在留カード等」「特定在留カードを含む」といった形に見直しておくと安全です。採用時、在職中の期限管理、更新・変更後の再確認という基本フローは維持しつつ、カードの種類が複数ある前提で確認欄を整えることがポイントです。

なお、本記事は2026年7月13日時点の公表情報をもとにしています。出典は、出入国在留管理庁の「在留カード等の新様式について」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/whatzairyu_00001.html)および「特定在留カードについて」(https://www.moj.go.jp/isa/tokutei)です。実務対応では、最新の公表情報もあわせて確認してください。

新様式になっても、会社は旧様式・新様式・特定在留カードが混在する前提で、在留資格や在留期限などの確認を続ける必要があります。

カードの種類を簡易図解で整理する

まず押さえたいのは、2026年6月14日を境に「カードの見た目」と「カードの種類」が増えたことです。ただし、すでに持っている旧様式の在留カード・特別永住者証明書は、有効期限までは引き続き使えます。全員が一斉に新カードへ交換する、という話ではありません。

時期交付される主なカード位置づけ
2026年6月13日以前旧様式の在留カード
旧様式の特別永住者証明書
従来のカード。顔写真は原則16歳以上に表示
2026年6月14日以降新様式の在留カード
新様式の特別永住者証明書
通常交付される新しい券面のカード
2026年6月14日以降特定在留カード在留カード+マイナンバーカード機能
2026年6月14日以降特定特別永住者証明書特別永住者証明書+マイナンバーカード機能

図式化すると、通常カードは「在留資格などを証明するカード」、特定カードはそこに「マイナンバーカード機能」を加えたものです。つまり、特定在留カードは在留カードの代わりになる別制度ではなく、在留カードとしての機能を持ったまま、行政手続きで使うマイナンバーカード機能も備えるカードです。

同じ考え方で、特定特別永住者証明書は「特別永住者証明書+マイナンバーカード機能」です。取得は任意のため、本人が希望しなければ、従来どおり在留カード等とマイナンバーカードを2枚持つ運用も可能です。会社側は、通常の在留カードだけでなく、特定在留カードも確認対象に含める前提で整理しておくとよいでしょう。

なお、この整理はあくまで「カードの種類」の確認です。在留カード等読取アプリは新様式カードへの対応が完全ではなく、現時点では確認できない項目があります。機能の実装が進み次第、続報として改めて解説します。

2026年6月14日以降は通常の新様式カードに加え、マイナンバーカード機能を持つ特定在留カード等が任意で選べるようになります。

行政手続きとの連携:便利になる点と、残る注意点

行政手続きの面で大きく変わるのは、「特定在留カード」を選ぶと、在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚にまとめられる点です。特定在留カードは、番号利用法等ではマイナンバーカードとみなされ、本人確認やマイナンバー関係の機能も担うカードとして扱われます。

これまで、在留期間更新や在留資格変更で在留カードの内容が変わったあと、必要に応じて市区町村でマイナンバーカード情報の更新が必要になる場合がありました。特定在留カードでは、地方出入国在留管理局での手続時にマイナンバーカード機能も最新化され、市区町村での追加更新手続きが不要になる場合があります。

運用手続きの流れ
通常の在留カード入管で更新・変更 → 新カード受領 → 必要に応じて市区町村でマイナンバーカード情報を更新
特定在留カード入管で更新・変更+特定在留カード申請 → カード受領 → マイナンバーカード機能も最新化

ただし、便利になる一方で「全員が自動的に特定在留カードになる」わけではありません。取得は任意です。従来どおり、在留カードとマイナンバーカードを2枚持つ運用もできます。

  • 対象者:住民基本台帳に記録されている中長期在留者、または特別永住者
  • 申請のタイミング:在留期間更新、在留資格変更、永住許可、再交付、記載事項変更届出などの一定手続きに併せて申請
  • オンライン申請:2026年6月時点では未対応。希望する場合は、在留諸申請も窓口で行い、交付も窓口で受ける必要があります

注意:特定在留カードは空港では交付されません。新規上陸時に空港で交付されるのは通常の在留カードです。また、特定在留カードは通常の在留カードより、交付まで10日ほど長くかかるとされています。

会社側の運用では、本人が「通常の在留カード」か「特定在留カード」かを選べる前提で案内を分けることが大切です。更新後の市区町村手続きが不要になる場合がある一方、申請方法や交付までの日数は本人のスケジュールに影響します。なお、在留カード等読取アプリは現時点で新様式カードの確認に完全活用できないため、アプリ機能の実装が進み次第、続報として改めて解説します。

券面から消える情報と、読取アプリの現在地

今回の新様式で、会社の確認実務にいちばん影響が出やすいのは「カード表面・裏面を見れば分かる情報」と「券面だけでは分からない情報」が分かれる点です。まずは、新様式・特定在留カードの券面に残る主な項目を整理します。

券面で確認できる主な情報会社実務での見方
氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地本人確認・台帳情報との照合に使います。
在留資格、在留期間の満了日就労できる資格か、期限がいつまでかを確認します。
在留カード番号、有効期間満了日カード番号の記録、カード自体の有効性確認に使います。
就労制限の有無、資格外活動許可の記載働ける範囲・時間制限の確認に関わります。

一方で、これまで券面にあった「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」は、原則としてICチップに記録され、券面では確認できなくなります。ここは人事・労務担当者が混同しやすいポイントです。

特に注意したいのが、「在留期間の満了日」と「在留期間」は別物だという点です。券面に残るのは、いつまで在留できるかを示す満了日です。一方、「1年」「3年」「5年」などの在留期間そのものは、券面からは読み取れないケースが出ます。

  • 在留期間の満了日:例「2028年6月30日まで」
  • 在留期間:例「1年」「3年」「5年」など

会社の在留期限管理では、通常は満了日の把握が最重要です。ただし、オンライン申請や社内システムで「在留期間」欄を持っている場合、カード券面からそのまま転記する運用は見直しが必要です。必要に応じて、本人に住民票等で確認してもらう流れを用意しておくと安全です。

では、在留カード等読取アプリを使えば解決するのでしょうか。現時点では、答えは「一部は使えるが、アプリだけでは完結しない」です。古いバージョンのアプリでは新様式カードを読み取れないため、利用する場合は必ず最新版への更新が必要です。

ただし、最新版に更新しても、当面は新様式在留カード・特定在留カードについて「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」は表示されません。つまり、会社の確認業務で新しいカード確認をアプリだけに頼る運用は、まだ実務上は不十分です。

出入国在留管理庁は、これらの項目を表示できる改修版を2026年9月を目途にリリース予定としています。ただし、あくまで予定であり、確定した実装日ではありません。アプリ機能の実装が確認でき次第、続報として改めて取り上げます。

外国人を雇用する会社の確認フローはどう変えるか

新しい在留カード・特定在留カードが出てきても、会社の確認フローは「採用時」「在職中」「更新・変更後」の3段階で整理すると実務に落とし込みやすくなります。ポイントは、通常の在留カードだけでなく、マイナンバーカード機能を持つ特定在留カードも確認対象に入れることです。

タイミング会社が確認・対応すること
採用時在留カードまたは特定在留カードの提示を受け、氏名、生年月日、国籍・地域、在留資格、在留期間満了日、就労制限の有無、資格外活動許可の有無、在留カード番号を確認します。そのうえで、ハローワークへ外国人雇用状況の届出を行います。
在職中在留期限管理表を更新し、満了日前に本人へ更新申請の予定・申請状況を確認します。期限直前に慌てないよう、人事担当者だけでなく現場責任者にも確認時期を共有しておくと安心です。
更新・変更後新しい在留カード番号、在留資格、在留期間満了日、就労制限を再確認し、人事システムや管理台帳へ反映します。資格外活動許可の有無も、職務内容に関わるため見落とさないようにします。

厚生労働省の2026年6月版資料では、外国人雇用状況届出の確認資料として、在留カードに「特定在留カードを含む」とされています。社内マニュアルやチェックシートに「在留カード」とだけ書いている場合は、「在留カード・特定在留カード」と表記を直しておくと、窓口対応の迷いを減らせます。

また、新様式では「在留期間満了日」は券面で確認できますが、「在留期間」そのものは券面から確認できないケースがあります。人事システムで「在留期間」を必須項目にしている会社は、本人に住民票等で確認してもらう運用を検討してください。「満了日」と「在留期間」を同じものとして扱わないことが大切です。

在留カード等読取アプリについても注意が必要です。新しいカード確認に使える場面はありますが、現時点では「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」が表示されないため、会社の確認業務をアプリだけで完結させる運用にはまだ活用できません。アプリ機能の実装が進み次第、続報として改めて解説します。

マイナンバー管理とコピー保管ルールを分けて考える

新様式で会社が特に注意したいのが、在留カード確認とマイナンバー管理を混同しないことです。特定在留カードは「在留カード+マイナンバーカード機能」を持つカードで、裏面にマイナンバーが記載されます。一方、通常の新様式在留カードにはマイナンバーは記載されません。

カードの種類マイナンバー記載会社の注意点
通常の新様式在留カード記載なし在留資格・在留期間満了日・就労制限などを確認
特定在留カード裏面に記載あり裏面コピー時に個人番号を取得しない運用が必要

たとえば、会社が「在留資格確認のため」として裏面全体をコピーすると、意図せずマイナンバーを取得・保管してしまうおそれがあります。マイナンバーは利用目的や管理方法が厳格に扱われる情報です。したがって、在留管理目的の資料と、税・社会保険手続きに使うマイナンバー事務の資料は分けて考える必要があります。

  • 在留資格確認用:在留カード表面を中心に確認・保管
  • 裏面確認:資格外活動許可欄、住居地変更の記載など必要箇所に限定
  • 特定在留カードの裏面コピー:個人番号部分をマスキング
  • マイナンバー事務用:別書類・別保管場所・別の閲覧権限で管理

実務では、「コピーを取るかどうか」よりも「何の目的で、どの範囲を取得するか」を先に決めておくことが大切です。特定在留カードの裏面を保管する必要がある場合も、個人番号部分を隠す、必要な欄だけを画像保存するなど、社内ルールとして明文化しておくと安全です。

なお、特定在留カードも在留カードであることに変わりはありません。本人には、通常の在留カードと同じく常時携帯義務の対象である点を案内しましょう。会社が原本を預かり続けるのではなく、確認後は本人へ返却する運用を徹底することも重要です。

まとめ

2026年6月14日から在留カード等は新様式になりましたが、実務担当者がまず押さえるべきことは「確認業務がなくなるわけではない」という点です。現行様式の在留カードも有効期限までは引き続き使えるため、会社側で一律に切替えを求める必要はありません。

  • 現行カード:有効期限まで使用可能
  • 新様式カード:2026年6月14日以降に交付
  • 特定在留カード:任意。マイナンバーカード機能付き

特定在留カードは、在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚にまとめる仕組みです。行政手続きの一部は便利になりますが、すべての手続きが完全にワンストップ化されるわけではありません。本人が通常の在留カードとマイナンバーカードを別々に持つ運用も可能です。

会社実務で最も大きい変更は、券面だけで確認できない項目が増えることです。特に「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」は、原則として券面ではなくICチップに記録される扱いになります。採用時・更新時の確認手順は、券面確認だけで完結する前提から見直す必要があります。

管理項目実務上の注意
在留期間満了日券面で確認し、就労期限管理に使う
在留期間「1年」「3年」などの期間。券面で確認できない場合がある
マイナンバー特定在留カードでは裏面に記載。通常の在留カード情報とは分けて管理する

在留カード等読取アプリについても注意が必要です。古いバージョンでは新様式カードを読み取れず、更新が必要です。さらに、最新アプリでも当面は「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」が表示されないため、会社の確認業務をアプリだけに頼ることはできません。アプリ機能の実装が進み次第、続報として改めて解説します。

人事システムでは、「在留期間満了日」と「在留期間」を同じ項目として扱わない設計が安全です。また、特定在留カードを確認する場合でも、マイナンバーの取得・保管・閲覧権限は通常の在留カードコピー管理とは別ルールで整理してください。

本記事は2026年7月13日時点の公的情報に基づいています。実務運用では、出入国在留管理庁、厚生労働省、ハローワーク、自治体の最新案内を確認し、社内の確認フローや台帳を随時更新していきましょう。