出入国在留管理庁は2026年7月3日、在留資格変更許可・在留期間更新許可・永住許可などに係る手数料額を具体化する政令案等について、e-Govでパブリックコメントを開始しました。案件番号は315000136で、施行予定日は2026年10月1日とされています。

今回示された案では、在留資格変更・更新の手数料が在留期間に応じた段階制となり、永住許可は現行10,000円から200,000円へ引き上げる内容が含まれています。ただし、2026年7月7日時点ではあくまで「案」であり、最終決定ではありません。

パブリックコメントは実質的に2026年8月2日まで受け付けられ、誰でも意見を提出できる手続です。外国人材を雇用する企業、登録支援機関、行政書士、申請する本人にとって、今後の費用負担や申請準備に関わる重要な変更案として、現時点の内容と今後の流れを整理します。

7月3日に公表されたのは「最終決定」ではなく政令案

2026年7月3日、出入国在留管理庁は、入管手数料の見直しに関する改正案について、e-Gov上でパブリックコメントを開始しました。案件番号は「315000136」です。ここでまず押さえたいのは、今回公表された内容は、すでに確定した新料金表ではなく、意見募集に付された「案」だという点です。

対象となっているのは、「出入国管理及び難民認定法施行令及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令案」等です。あわせて、「出入国管理及び難民認定法施行規則等の一部を改正する省令案」も含まれています。

項目今回公表された内容
公表日2026年7月3日
案件番号315000136
位置づけ政令案・省令案に対するパブリックコメント
主な対象在留資格変更許可、在留期間更新許可、永住許可などに係る手数料額の具体化
施行予定日2026年10月1日。ただし、現時点では案

背景には、2026年に成立・公布された「出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第32号)」があります。法律そのものが改正されたことを受け、実際にいくらの手数料を徴収するのかを、政令で具体的に定めようとしている段階です。

政令とは、法律を実施するために政府が定めるルールです。省令は、各省庁が所管分野について定めるより具体的なルールを指します。つまり今回の公表は、「法律改正に伴って、実務上の金額や手続の細部をどう設計するか」を示したものと見ると分かりやすいでしょう。

パブリックコメントの受付期間は、2026年7月3日(金)から2026年8月2日(日)までです。e-Gov上では締切が2026年8月3日0時0分と表示されていますが、郵送は期間内必着とされているため、実質的には8月2日までと考えておくのが安全です。出入国在留管理庁は「広く国民の皆様から御意見をいただきたく」としており、個人・法人を問わず意見提出が可能と読み取れます。

そのため、2026年7月7日時点で、金額、対象範囲、施行日は最終確定前です。今後、寄せられた意見を踏まえて政令・省令等が決定されるため、公表案から変更される可能性があります。外国人材を雇用している企業や、更新・変更申請を控える本人・家族は、「決定事項」としてではなく、「今後決まる予定の案」として最新情報を確認することが重要です。

2026年7月3日に公表された入管手数料の引き上げ内容は、最終決定ではなく、パブリックコメント中の政令案・省令案です。

今後の流れ:8月2日までのパブリックコメントを経て決定へ

2026年7月3日、出入国在留管理庁は、入管手数料の見直しに関する政令案・省令案についてパブリックコメントを開始しました。パブリックコメントとは、行政機関が制度改正案などを公表し、広く意見を募る手続きです。今回公表された内容は、あくまで「案」であり、この時点で手数料額や対象範囲が最終決定したわけではありません。

受付期間は、2026年7月3日(金)から2026年8月2日(日)までです。郵送で提出する場合も、この期間内に必着とされています。なお、e-Gov上では受付締切日時が「2026年8月3日0時0分」と表示されていますが、日付が変わる直前までという意味合いになるため、実務上は「8月2日まで」と捉えて準備するのが安全です。

時期主な内容
2026年7月3日政令案・省令案等を公表し、パブリックコメント開始
2026年8月2日まで意見受付期間。郵送も期間内必着。e-Gov表示上は8月3日0時0分締切
受付終了後政府が提出意見を踏まえ、政令・省令等を決定
2026年10月1日予定改正内容の施行予定日。ただし最終決定前の案である点に注意

意見は、個人・法人を問わず提出できると読み取れます。提出方法は、e-Govの意見提出フォーム、電子メール、郵送の3通りです。電話での意見提出は受け付けられず、意見は日本語に限られます。メールの場合は、本文にテキスト形式で記載し、件名を「パブリックコメント(手数料に関する政令案等について)」とする必要があります。

パブリックコメント終了後は、寄せられた意見を踏まえて政府が政令・省令等を決定する流れです。施行予定日は2026年10月1日とされていますが、2026年7月7日時点では最終的な金額、減額対象、施行内容はいずれも確定前です。企業としては、今後公表される最終版を必ず確認する必要があります。

特に外国人材を雇用している企業では、10月前後に在留期間更新許可や在留資格変更許可の申請が見込まれる人材を早めに洗い出しておきたいところです。在留期限、申請予定時期、本人負担・会社負担の整理、予算見込みを確認しておくことで、施行直前に費用や手続きの判断が集中するリスクを抑えられます。

今回の手数料案はまだ最終決定ではなく、実質8月2日までのパブリックコメントを経て、政府が政令・省令等として決定する流れです。

在留資格変更・更新の手数料案:在留期間に応じた段階制へ

今回の改正案で、企業実務への影響が大きいのが、在留資格変更許可と在留期間更新許可の手数料です。現行では、変更・更新ともに窓口申請が6,000円、オンライン申請が5,500円ですが、公表案では「許可される在留期間」に応じて手数料が変わる段階制へ見直されます。

ここでいう在留資格変更許可は、現在の在留資格から別の在留資格へ切り替える手続き、在留期間更新許可は、同じ在留資格のまま在留期限を延長する手続きです。特定技能や技術・人文知識・国際業務など、外国人雇用の現場で継続的に発生する手続きでもあります。

許可される在留期間窓口申請オンライン申請
3月以下10,000円10,000円
3月超6月以下18,000円15,000円
6月超1年未満25,000円21,000円
1年33,000円27,000円
1年超3年未満48,000円42,000円
3年以上5年未満64,000円56,000円
5年以上75,000円65,000円

ポイントは、申請時に希望した在留期間ではなく、最終的に「許可される在留期間」に応じた手数料案になっている点です。たとえば、申請人側が長期の在留期間を希望していても、実際に許可された期間が1年であれば、1年の区分の手数料が基準になると読む必要があります。

また、オンライン申請は窓口申請よりも低く設定されています。差額は区分により3,000円から10,000円で、3月以下のみ同額です。オンライン申請の利用環境がある企業や支援機関にとっては、費用面でもオンライン化を検討する理由が増える内容といえます。

一方で、更新のたびに発生する費用である以上、受入企業や本人の負担設計にも関わります。特に、在留期間が1年ごとに更新されるケースでは、現行額との差が大きくなります。誰が手数料を負担するのか、社内規程や雇用契約上の扱い、本人への事前説明をどうするのかも、施行前に確認しておきたい実務上の論点です。

なお、これらの金額は2026年7月3日に公表された政令案等に基づくもので、2026年7月7日時点ではまだ最終決定ではありません。パブリックコメントを経て変更される可能性があるため、実際の申請時には最新の公表情報を確認する必要があります。

永住許可は20万円案へ:公表された積算根拠も確認

今回の手数料案で、とくに影響が大きいのが永住許可です。出入国在留管理庁が2026年7月3日に公表した資料では、永住許可の手数料は現行の10,000円から、改正案では200,000円へ引き上げる内容が示されています。なお、2026年7月7日時点ではパブリックコメント中の「案」であり、最終決定ではありません。

資料上、永住許可については在留資格変更・在留期間更新のようなオンライン申請額の記載は確認できず、窓口申請の手数料として200,000円が示されています。オンライン申請との差額が設けられている変更・更新とは扱いが異なるため、今後の最終公表資料でも確認したい点です。

項目現行改正案
永住許可手数料10,000円200,000円
申請方法ごとの差資料上、区分なしオンライン申請額の記載なし

入管庁は、永住許可の20万円案について、審査に要する実費を約2万円とし、これに「応益的要素」約18万円を加える考え方を示しています。応益的要素とは、行政サービスなどから受ける利益に応じて負担を求めるという考え方です。永住許可後の平均在留期間が13.5年程度であることを踏まえ、長期にわたる在留上の利益を手数料に反映する設計と説明されています。

一方、在留資格変更許可・在留期間更新許可については、審査実費を約1万円、応益的要素を1年あたり約2万円とする考え方が基本とされています。ただし、在留期間が長くなるほど単純比例で増やすのではなく、長期の在留期間ほど増加割合を抑える段階制にしたとされています。

永住許可は、就労制限のない安定した在留資格として、本人だけでなく家族や雇用主の生活設計・人材定着にも関わります。そのため、20万円という金額の妥当性、家族で申請する場合の負担感、低所得者への配慮、手数料の使途の透明性などは、パブリックコメントで意見を出す際の重要な論点になりそうです。

免除・減額の対象とガイドライン案のポイント

今回の手数料引き上げ案では、単に金額を上げるだけでなく、一定の場合に手数料を免除・減額できる仕組みも示されています。ただし、対象はかなり限定的です。一般的な就労系在留資格で働く外国人や、特定技能・技術・人文知識・国際業務などの申請者が、広く一律に減額される内容ではない点に注意が必要です。

免除対象として挙げられているのは、外交または公用の在留資格への変更許可を受ける者、公用の在留資格で在留し在留期間更新許可を受ける者、そしてこれらに準ずるものとして法務省令で定める者です。国の公的な関係に基づく在留資格が中心で、通常の雇用・就労目的の申請とは性質が異なります。

区分対象として示されている内容手数料の扱い
免除外交・公用への変更許可、公用での在留期間更新許可を受ける者など手数料を免除
減額生活保護法上の要保護者に準ずる程度に困窮し、かつ難民認定者・補完的保護対象者・その他人道上の配慮を要する者変更・更新は1万円まで、永住許可は2万円まで減額可能

減額については、二つの要件が重なっている点が重要です。生活に困窮していることだけでなく、難民認定者、補完的保護対象者、その他人道上の配慮を要する者に当たることが求められる案です。変更・更新許可で3月を超える在留期間を決定される場合は10,000円まで、永住許可を受ける場合は20,000円まで減額できるとされています。

さらに、別案件315000137として「在留許可手数料の減額対象者のガイドライン(案)」もパブリックコメント中です。この案では、困窮者の例として、生活保護法の取扱いに準じた保護を受けている外国人、難民認定申請者等への保護措置を受けている外国人、中国残留邦人等支援給付を受けている外国人などが示されています。

人道上の配慮を要する者の例も具体化されています。難民・補完的保護対象者、第三国定住難民、インドシナ難民、人道的配慮により在留を認められる者、本国情勢不安を理由に特定活動への変更を受ける者、人身取引等の被害者、児童養護施設等に入所している外国人、指定難病患者・特別障害者・障害児やその監護養育者などです。

企業の実務では、「従業員の収入が低い」「家族帯同で負担が大きい」といった事情だけで直ちに減額対象になるとは読みにくい内容です。減額・免除の範囲が狭すぎないか、必要な証明書類や判断基準が分かりやすいかなどは、8月2日までのパブリックコメントで意見を出せる論点になります。

誰でも意見提出可能:パブリックコメントで伝えられる論点

今回の手数料改正案は、2026年7月3日からパブリックコメント(行政機関が案の段階で意見を募る手続)に付されています。出入国在留管理庁は「広く国民の皆様から御意見をいただきたく」としており、個人・法人を問わず意見を提出できると読み取れます。

受付期間は2026年7月3日から8月2日までです。e-Gov上では締切日時が2026年8月3日0時0分と表示されていますが、郵送は期間内必着とされているため、実務上は「8月2日までに届く・送信する」と考えて準備した方が安全です。

提出方法注意点
e-Govの意見提出フォーム案件番号315000136のページから提出します。
電子メール本文にテキスト形式で記載し、件名を「パブリックコメント(手数料に関する政令案等について)」とします。
郵送受付期間内必着です。余裕をもって発送する必要があります。

なお、電話での意見提出は受け付けられていません。また、意見は日本語に限られます。個人で提出する場合は氏名・住所などの連絡先、法人で提出する場合は法人名・所在地などを記載する扱いです。

意見として考えられる論点は幅広くあります。たとえば、在留資格変更・在留期間更新の手数料額そのもの、永住許可を20万円とする案の妥当性、家族帯同者・留学生・低所得者・難民申請者などへの負担、オンライン申請と窓口申請の差額、減額・免除対象の範囲、2026年10月1日とされる施行予定日までの準備期間、集めた手数料の使途の透明性などです。

特に外国人雇用の現場では、本人負担だけでなく、企業が申請支援や費用補助を行う場合の運用にも影響が出ます。採用計画、在留期限管理、家族帯同者への説明など、実務上の負担を具体的に示すことで、単なる賛否ではなく制度設計への意見として伝えやすくなります。

ただし、意見募集の対象外の内容は、提出意見として扱われないことがあります。提出時は「政令案の手数料額について」「省令案の免除対象について」「減額対象者のガイドライン案について」など、どの案に対する意見なのかを明確にし、その理由や想定される影響を添えることが重要です。

まとめ

2026年7月3日に出入国在留管理庁が公表した入管手数料の具体案は、現時点での「最終決定」ではありません。対象は、在留資格変更許可・在留期間更新許可・永住許可などの手数料額を具体化する政令案・省令案であり、2026年7月7日時点ではパブリックコメント中の案です。施行予定日は2026年10月1日とされていますが、最終的な金額や対象範囲は、今後変更される可能性があります。

今回の案で押さえておきたい主な内容は、次の4点です。

項目公表案のポイント
変更・更新許可許可される在留期間に応じ、1万円から7万5,000円までの段階制へ。オンライン申請は窓口より低い設定です。
永住許可現行1万円から20万円へ引き上げる案です。審査実費と永住許可後の平均在留期間を踏まえた応益的要素が積算根拠とされています。
免除・減額免除対象は外交・公用などに限定され、減額は困窮や人道上の配慮を要する場合などに限られる案です。
ガイドライン案減額対象者の具体的な範囲について、別案件としてガイドライン案も意見募集されています。

パブリックコメントの受付期間は2026年7月3日から8月2日までです。e-Gov上の締切表示は2026年8月3日0時0分ですが、郵送も期間内必着とされているため、実務上は「8月2日まで」と考えて準備するのが安全です。意見は個人・法人を問わず提出でき、手数料額、永住許可20万円案の妥当性、家族帯同者や留学生、低所得者への影響、オンライン申請との差額、減額対象の範囲などについて、政令案・省令案・ガイドライン案との関係を明確にして伝えることができます。

外国人材を雇用する企業や支援者にとっては、まだ確定前である一方、準備を先送りしすぎる段階でもありません。まずは在留期間更新や在留資格変更を予定している対象者を洗い出し、本人負担・会社負担のルール、オンライン申請を活用できる体制、本人への説明方針を整理しておくことが重要です。特定技能など更新管理が継続的に発生する在留資格では、採用後の管理コストにも影響します。

今後は、パブリックコメントの結果を踏まえて正式な政令・省令等が公表されます。現時点では「案」であることを前提に、過度に断定せず、最新の公表情報を確認しながら対応方針を更新していく必要があります。