外国人採用5〜6年で3〜4社の紹介会社を利用。それでも本気度の見極めには課題が残った
ー これまでの外国人採用の経験と、紹介会社の利用状況について教えてください。
最初の外国人採用は約5〜6年前、技能実習生としてインドネシア人材を受け入れたのが始まりです。技能実習は1回経験し、その後の特定技能の採用では、これまで3〜4社の紹介会社にお世話になってきました。
複数の紹介会社を使ってきた中で、選考プロセスはどこも似ていて、現地での対面面接やオンライン面接が中心でした。ただ正直なところ、その方法では候補者の本当の姿が見えにくいという課題は、ずっと感じていました。
ー 具体的に、どんなところに課題を感じていらっしゃいましたか。
一番大きかったのは「本気度」が見えないことです。オンライン面接って、候補者側もある程度回答を準備してきますから、いい答えが返ってくる。でも、それが本当の意思なのか、ただ受かりたい一心の答えなのか、判断が難しい。
もう一つは、採用が決まった後にモチベーションが下がる傾向があることです。職員本人たちも正直に話してくれるのですが、「日本に来るまでよりも、決まるまでの方が熱心に勉強していた」と。来日してしまうと、目の前の仕事に追われて学習が後回しになる。これは現場としては痛手で、対策を打ちたいとずっと考えていました。

新たな選考方法「教育選考」を採用することで、候補者のより深い人物像や「日本で働く理由」を深く知ることができた
ー いろはなを知ったきっかけと、選考プロセスでの違いを教えてください。
いろはなさんを知ったのは、自社支援システムを探していたときの検索がきっかけです。そこから人材紹介もされているとのことで、相談するようになりました。
選考プロセスで明確に違ったのが、弊社のこれまでの採用課題に対して新たな採用手法の提案を受け、今回は「教育選考」と呼ばれる面接だけではなく面接後のワークを通して選考をする方法で採用を決めました。一次面接で仮合格を出した後、そこから入国までの間に通訳と連携し日本で働くための講習形式のプログラムを行い、そのプロセスを選考過程に取り入れる。これが本当に画期的でした。
ー 教育選考では、具体的にどんなところを見ていらっしゃるのですか。
面接だけではなく面接後の講習受講や提出された課題、講習内容の発言や反応を通じて、候補者の人柄、家族構成、なぜ日本で働きたいのかという背景まで、本当に深く知ることができるんです。
一番分かりやすいのは、ワークへの取り組み姿勢ですね。積極的に発言するか、提出物の作成に懸命に取り組めるか――こうした姿勢から「この人は本当に日本で働きたいんだな」と判断できる。逆に、オンライン面接ではきれいに答えていた候補者が、ワーク中の取り組み姿勢で本気度の差が見えてくるケースもあって、選考の精度が一段上がった感覚があります。
作文で本人の考えを書かせる場面もあるのですが、そこで「なぜ介護なのか」「なぜ日本なのか」を自分の言葉で表現してもらえるのも大きい。準備されたオンライン面接の回答とは違って、本人の本心が見えたと感じました。

教育選考で「日本で働く理由」が明確な人材は、入社後の馴染み方が違う
ー 教育選考を経て採用された方々の、入社後の様子はいかがですか。
まだ来日して間もないので緊張している様子はありますが、引っ込み思案というわけではなく、新しい環境に慣れている最中、という感じですね。先輩のインドネシア人職員と買い物に行く計画を立てるなど、内部のコミュニケーションは自然体で取れています。
教育選考の段階で「日本で働く理由」を自分の言葉で整理してきた人材だからこそ、入社後のスタートがスムーズなのかなと感じています。職員間で国籍や宗教の違いで揉めることもほぼなくて、たまに小さな揉め事があっても話し合いや私への相談で解決できる、非常に雰囲気の良い関係性ができています。
ー 採用面接の段階で重視している点はありますか。
日本語レベルはもちろんですが、それだけでは判断できない部分が大きいと思っています。教育選考のように複数回会って本人の素顔を見せてもらえると、こちらも自信を持って「採用しよう」と判断できる。これは過去の紹介会社では得られなかった経験です。

ミャンマー情勢下でも、12月面接から6月入国を予定通りに実現
ー 今回はインドネシア以外の国、ミャンマーからも採用をされたとお聞きしました。
複数国籍の外国人社員がいるため、今回の募集はインドネシアとミャンマーの2国とし、ミャンマーに関しては当初から入国までの日数をインドネシアよりも長く設定、理解をしていました。教育選考の実施については、会社の就業環境や雇用条件の理解は基本としながら面接の場で人材特徴の確認、個人差を伺うことができたため、教育選考は実施せず、面接のみで採用しました。
ー 入国までのスケジュール感はいかがでしたか。
2025年12月に面接を行い、2026年6月に予定通り入国――この約6ヶ月のスケジュールで進められたのは、本当に大きかったです。
ミャンマーは情勢的にもビザの取得や出国手続きが遅延しがちな国だと聞いており、過去の入国人材も面接をしてから1年近く待機していました。正直なところ「予定通りには進まないかもしれない」という覚悟はしていました。それでも、入国準備も丁寧に進めてくださって、計画した6月入国を遅れなく実現できたんです。
地方の介護現場としては、いつ人材が入ってくるかが見えると、現場の体制構築計画が立てやすい。シフトを組む、教育担当を決める、住居を準備する――どれもスケジュールが読めないと困りますから、ミャンマーからの採用でこれを実現していただけたのは想像以上の価値がありました。

地方の介護現場が求めるのは、日本語力に加えて「日本で働き続ける本気度」
ー 今後の人材紹介で、いろはなにどんな人材を期待されますか。
日本語能力については、JFT-BasicのA2レベルではなく、JLPTのN3レベルを取得してきてもらえることが望ましいと感じています。A2では漢字を読む力が不足していて、現場で苦労する場面が多いからです。教育選考の段階で日本語の成長ポテンシャルも見てもらえると伺っていますので、そこにも期待しています。
もう一つは、地方で長く働き続ける本気度ですね。私たちのような地方の介護施設では、若者の数も限られていますし、都会に比べれば刺激も少ない。「田舎はお金を貯めながら勉強する時間」というメリットを、ちゃんと理解した上で「それでも日本で長く働きたい」と思える人材を採用したい。
教育選考は、まさにそういう本気度を見極めるための仕組みだと感じています。次の募集のタイミングは来年の春頃の入国を目標に進めていきますが、その際もぜひ教育選考を活用させてもらいたいですね。
ー 最後に、これから外国人採用を検討される介護事業者の方へメッセージをお願いします。
外国人材の採用で一番難しいのは、書類やオンライン面接だけでは「人」が見えないことだと思います。私たちもそれで苦労してきました。 いろはなさんの教育選考のように、選考プロセスの中で複数回ワークを重ねて、本人の素顔・本気度・日本で働く動機まで見極められる仕組みがあると、採用判断の精度が大きく変わります。地方の介護事業者ほど、一人の採用が現場に与えるインパクトは大きい。だからこそ、こうした仕組みを使いこなしている紹介会社をパートナーに選ぶ価値があると、私は思います。